kunbeのあれこれ雑記帳

日々の暮らしの中で感じたこと思ったことを、わかりやすく、おもしろく、それなりに伝えようと思います。

春ですね〜

年度末のクソいまいましい仕事が一段落。

ふと気がつくと、春を思わせる気配がそこいら中に漂っているようです。

 

待ってました大統領。

ついに来た。

やっと来た。

ホントに来た。

待っててよかった、信じてよかった。

あまりにも厳しい冬のせいで、

もしかしたら、ひょっとしたら、

もう来てくれないんじゃないかって、本気で心配してました。

それにしても、

約半年も好き放題に暴れチョーシこいてた冬の野郎。

 

「この世をば 我が世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」

 

お前は藤原道長かっつーの。

天下でも取ったつもりでいたんだろう。

それが油断を呼ぶんだよ。

 

よく聞け! まずい飯屋と悪の栄えたためしはねぇんでぇい!

このスットコドッコイ!

どうせヨダレ垂らして、うたた寝でもしてたんだろ。

その隙に春サマがど〜んとおいでになられたんだよ。

もう、お前の居場所はないんだ。

とっとと南極でも北極でも、

お前を温かく迎えてくれるところに行っちまいな。

 

冬を温かく迎えるってのもおかしな話ですが…。

 

ブログの更新もお休みをして、2月終盤は仕事漬けの毎日でした。

気がつけばもう3月半ば。

かれこれ3週間も、ひたすら仕事に打ち込んでたんです。

かわいそうでしょ、あたし。

急な仕事が一気に直撃。

いっその事、ホントに死んだふりすりゃよかった。

時折突然集中的に、あたしの担当する仕事が重なることがあるんです。

まちの民間団体の新年度加入促進キャンペーンポスターのデザインが一番時間がなくて、大急ぎで校正出し。レストラン、居酒屋のメニュー刷新、学校案内に新規開業の病院案内パンフレットも大急ぎで校正出し。校了には時間があるけど、とにかく一日でも早く校正を出せって冊子が数件。あたふたしているうちに、大嫌いな冬はどこかへ行っちまったようで、なんだかうれしいざんす。

 

「もう戻ってくんじゃねぇぞ!」

「おめぇのみったくない顔なんざ二度と見ったくない!」

下手なシャレを吐き捨てるように言い放って、物置へ直行。

昨年秋にしまい込んだまま、すっかり放ったらかされていた、

投げ釣りの道具を引っ張りだし、仕掛けや針先などの点検です。

 

春先には大型のクロガシラが釣れるんです。

クロガシラというのは、カレイの仲間で、

ここいらでは主役級の釣りものです。

 

釣りが3度の飯より好きって方は当然、厳寒期でもやるんです。

手も足も吐く息も鼻水も、

何でもかんでも凍りつく恐ろしい世界です。

話し声も当然、口から出た途端に凍ってしまって、

言ったそばから、塊になって足もとに落ちちゃいます。

しかたがないから、お湯をかけて言葉を溶かして

「うひゃあ、さぶいね!」

って声がようやく聞こえる…。

ですから、春先はやたらとやかましいんです。

あちこちで凍った言葉が一斉に溶け出して聞こえちゃうから…。

なんて、そんなことはありません。

えへへ…。

 

あたしだって若い頃は、

通年で魚釣りをしていたんですよ。

こう見えても。

あ、姿は見えないのね。安心安心。

で、かなり前の話になりますが、

寿都というところに、釣り仲間と正月開けに行きまして、

深夜1時過ぎに漁港に到着。

とりあえず車を停めて状況視察。

のつもりだったんですが、

車を降りた途端に凍りついちゃいました。

まさにカチンコチンです。

身動き一つできません。

息をするのも痛いんです。

「死ぬ」

直感的にそう思いました。

思ったのにカラダは動かない。

訴えようにも言葉が出ない。

目をあけていたら目玉まで凍りつきそうな勢い。

必然的に閉じちゃいます。

薄れていく意識の中で

「ああ、俺はこのまま、この港の氷像になるんだなぁ…」

なんて思っていました。

突然、同乗していた釣り仲間が

あたしのカラダをたたいてくれたらしく、意識が戻りました。

「だめだ。寒すぎる。車に戻れ」

「う、うっ」

「車に戻れ」

「うっうっうっ」

「何やってんだよ、さっさと戻れ!」

「うごうごうごうご」

「動けないのか? しょーがねぇなぁ、どらどらどらどら。よっこらしょっ!」

仲間2人であたしを車に押し込んでくれたんです。

あと30秒も外にいたらホントに気を失って、

凍死していたんじゃないかって思います。

急速冷凍フリーズドライになるところでした。

安物の防寒着で釣りをしようなんて、

真冬の日本海をなめていた罰でしょうか。

でも高い防寒着はとてもじゃないけど買えません。

同乗の2人は、当時最先端の

ゴアテックスナンチャラの上下に

肌着も釣りの一流ブランド

SHIMANO』のナンチャラ。

あたしとは大違い。うらやましい。

貧乏人は何につけても損です。

着るものの違いで命にまで関わるんですよ。

信じられます? でも、これが現実なんです。

お金がないと長くは生きられません。

ただ、人生ってのは、

長い短いよりも中身の方に本来の価値があるようですから、

別に気にしてませんが…。

えっ、中身も貧乏だろうって?

エーン。ホントのこと言わないでよ!

……。

とにかく、その日を境にあたしは真冬の釣りは

卒業することを一方的に決めました。

お金もかかるし危険だし。

「あいつならいつかはこうなるだろうって思った」

なんて職場の人間に言われるのもシャクだしね。

もし、あのまま凍りついて、あたしが氷像になっていたら、

寿都のまちの人たちは

「釣り師の像」として祀ってくれたでしょうか。

春になって溶け出しても、

形が崩れないように固めて保存してくれたでしょうか。

そったらことあるわけねーべ。

「釣りバカが凍え死んだべや」

って迷惑顔で処理されて

「よかったよかったこの世からバカが一人減って」

くらいに言われて、忘れ去られる…。

まぁ、そんなもんでしょう。

長々書いちゃいましたけど、

北海道に住んでいるのに冬が嫌いだと、

およそ半年の退屈な時期を

毎年のように過ごすことになります。

だから、なおさら春の釣りには力が入るんです。

これも毎年ですが、力が入りすぎて投げる時に糸が切れます。

なるべく遠くへ飛ばそうと、それなりに高価な糸を使っているので、

200メートルの糸が150メートルくらいしかなくなると使いづらいんです。

実際には100メートルそこそこしか飛ばせませんから、

使えないこともないんですが、

糸は常にピーンと張っているわけではなくて、

緩やかな放物線を描きながら飛んでいきますから、

オモリが着底すると糸はダラ〜ンとたるんでいます。

糸フケです。

このたるみを入れると100メートル以上になるわけで、

実質150メートくらいは使用しているんです。

投げ釣りをする人は、

巻いてある糸の一番根元の部分まで飛んでいくことを

「ツン」するなどといいます。

もちろん短くなればなるほど

「ツン」の確率は高くなります。

もし「ツン」してすべて飛んでいってしまったら、

仕掛けも含めて総額2〜3,000円くらいの損失です。

クロガシラは1枚高くても7〜800円です。

「スーパーで買ってこい」

鬼ヨメに言われ

「じゃ買ってくるわぃ!」

と釣り竿持参で港まで買いに行ったことは数えきれません。

「売ってなかった」

「うそつけ!」

お金に厳しい鬼は

「じゃあ、お前の晩飯はなし!」

「ひ〜ん」

「そんなにクロガシラが喰いたいんなら売ってる店に行け!」

「で、でも、もうエサ代が…」

「なんだとぉ〜! お前スーパーで魚買うのにエサ持っていくのか!」

「その方が新鮮で…」

「やっぱ飯抜き!」

「ひ〜ん」

そんな不毛な時代を乗り越え、今のヨメとは仲睦まじく一緒に釣行。

 かなり疲れがたまってるけど、

今度の日曜日には開幕する予定です。

今の予定では今後のこのブログの内容も

釣果報告が多くなると思っています。

 

えへへ。

知りたくないかもしれないけど、一方的に報告するからね。

 

久々なので長々書いちゃってすいません。

読んでくださった方にお礼申し上げます。