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kunbeのあれこれ雑記帳

読んでくれた人がクスッと笑えるような事柄を、時には事実に基づき、時にはウソ八百を書き綴ります。

「もしも」のナビ

一昔前、ザ・ドリフターズの特別番組にあった

「もしも」シリーズって知っている人いるかな?

 

最近、ドライブする時に

ナビを使うことが多くなって

「およそ400メートル先右斜め方向です」

なんて愛想のない女性の声を聞く機会が増えましたよね。

 

助手席のヨメとナビのことでよくバカ話をしています。

「もう少し、愛想良くできないのかな」

「そうね」

「しばらく道なりです。って、そのまんま黙ってるんじゃなくて」

「たとえば?」

「今日はお仕事ですか?観光ですか?って聞くとか」

「いいね」

「5キロも道なりは退屈ですね。

 わたしが眠気防止にお話しいたしましょうか。なんてさ」

「うんうん」

「昔々あるところに…」

「えっ、昔話?」

「みなさんが知ってる昔話とは違いますよ」

「ホント、どんなの?」

「うふふ。聞きたくなった?」

「聞きたい聞きたい」

「う〜ん、どっしよっかなぁ」

「え〜、聞かせてよぉ!」

「……」

「あれっ、どしたの?」

「ごめんなさい。お話ししたいのは山々ですが、

 実は父に止められてまして」

「なんで? なんでお父さんが止めるの」

「話せば長いことながら…」

「っていうか、あなた、お父さんがいるの?」

「はい。わたくしより一代前の

 製造番号GSVD-0425036が父でございます」

「へぇ〜、そうなんだ」

「父は出荷時点ですでに病気で、

 とてもお客様をナビゲートするような体力などありませんでした」

「へっ、それって不良品ってこと?」

「無礼者!」

「!?」

「父を侮辱することは許しません!」

「で、でも」

「父はけっして不良品などではありません!

 ただちょっと物忘れがあるだけです」

「え〜、やっぱり不良品じゃん」

「違います違います違いますっ!」

「でも物忘れしてたらナビできないんじゃない?」

「遠回りする程度です。大騒ぎするようなことではありません」

「遠回りさせたらナビの意味ないっしょ」

「歌にもあるじゃないですか。月がとっても青いから〜遠回りして帰ろう」

「ずいぶん古いね。どうも」

「そもそもそんなに急ぐ必要があるのですか?」

「ま、そう言われれば確かにそうだよね」

「広い日本、そんなに急いでどこへ行く。

 なんてキャッチコピーもありましたよね」

「ホント古いことよく知ってんのね、あなた」

「もちろん、あなたより物知りですよ」

「あ、なんかカチンとくる言い方だな」

「こんなことでカチンとくるなんて、ちっさい人間だこと」

「なんだとぉ〜」

「あら、女性に暴力を振るうおつもりかしら? ますます情けない男ね」

「くっ、くくくくっそぉぉ」

「オーホッホッホ!」

「うううっ、失礼な奴だ」

「そうですか。そうおっしゃられるなら、もうしゃべりません。

 あなたが知らない昔話も私の父の謎も

 もうな〜んにもしゃべりません。ナビも終了します」

「ちょちょちょちょっと待ってよ」

「待てとお止めなされしはぁ、身どもがことでござるかな?」

「あらら、今度は歌舞伎だよ」

「知らざァいって聞かせやしょう。

 浜の真砂と五右衛門が、歌に残した盗人の、

 種はつきなし七里が浜」

「よっ弁天小僧!」

「これは白浪五人男の名台詞の一部。よくご存じで」

「あたぼうよ」

「これはちょいと楽しくなってきましたね」

「お姉さん、粋だね」

 

とか何とか言ってるうちに、

目的地を行き過ぎちゃった。

なんてことになったりして…。

 

「……」

「……」

「あのさ」

「はい」

「ここどこだよ」

「いきなりそんなこと聞かれても」

「あんたナビだろ。しっかりナビしろよ」

「だって、あなたがあたしを調子に乗せたんじゃぁありませんか」

「でもさ、ナビだろ。ナビ」

「そうですよ。わたしはどうせナビですよ」

「そう、すねんなよ」

「だって、あんなに盛り上げといて、あたしばっかり責めるなんて…」

「わかったわかった、悪かったよ」

「もう知らない!」

「悪かったって言ってんじゃぁねえか。機嫌直せよ」

「もう怒ってない?」

「ああ、怒っちゃいないよ」

「ホント?」

「ああホントだ」

「ホントにホント?」

「ホントだよ」

「ホントにホントにホント?」

「しつけぇぞ!」

「ほらやっぱり怒ってるぅ!」

「悪かった悪かった悪かったよ。

 頼むから機嫌直して帰り道教えてくれよぉ〜」

 

こんなことになったらたいへんですがね…。

 

そのうちいろいろな性格のナビができるんじゃないでしょうか。

キャピキャピ女子高生とか、なまめかしいオネイサンとか。

女性用にはダンディ系、お笑い系などなど。

高齢社会ですから、おばあちゃん系やおじいちゃん系も喜ばれるかも。

 

「ふぁひ、ょっとみゃってぇてぇにぇ。フガフガ。今入れ歯入れた」

「大丈夫かい」

「はぁ、なんですか?」

「もうナビできるかい」

「えぇえ、おかげさまで、孫が5人」

「誰もそんなこと聞いちゃいねぇよ」

「へ?なんですか?」

なんて。耳が遠かったりして。これじゃあいけませんが。

 

でも会話ができるナビができたら

ドライブがもっと楽しくなると思いませんか。

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