kunbeのあれこれ雑記帳

日々の暮らしの中で感じたこと思ったことを、わかりやすく、おもしろく、それなりに伝えようと思います。

雨のち風 苫小牧港東港作業船溜まり前の浜

5月10日。

母の日ですが親不孝のあたしは

本日もやっぱり魚釣りです。

今日の釣り座は、苫小牧港東港作業船溜まり前の浜。

浜といってもメインの釣り場となるところは、

岸の部分が2メートルほど小高くなっていて、

潮が引いたときのみ砂浜になります。

ここは数年前に立ち入りが制限されて、

車の乗り入れができなくなってしまった

悲しい歴史があるところです。

 

5人の死者を出した事故

この浜の右脇にある一本防波堤の沖合に離れた防波堤があるんですが、

たまたま天候が急変した時に

釣り人が海に落ちて死んでしまうという事故が起きました。

2009年だったと思います。

たしか5人の方が亡くなりました。

そもそも、その沖防は立ち入り禁止区域だったように思いますが、

ときおり船で渡って入っている人が目撃されていたそうです。

記憶が定かではありませんが、その事故と前後するように

一本防波堤も沖の部分は立ち入りができないように

鉄の柵で完全に閉め出されました。

あおりを受けたと、一時は釣り人の間で盛んに噂されましたよ。

結局、一本防波堤の入れる部分は

テトラが打ち込まれ

釣りがしづらい部分だけになっちゃいました。

 

■お上の過剰反応じゃないの?

 

「タカシちゃん、こんなに広い防波堤でも海が荒れると波をかぶるのよ。

 いつでも安全というわけではないの。

 だから、少しでも危険なところには近づけないようにしなきゃならないのよ。

 それが仕事なの。

 わかる?わかるでしょ。

 お母さんも辛いのよ。

 でも何かあってからでは遅いの。

 あなたがケガをしたり死んじゃったりしたら、

 お母さん耐えられないもの。

 だから危険と思われるところは全部立ち入り禁止にしなくちゃね。

 そう、全部よ全部!

 ネズミ1匹這い出る隙もないように閉め出すのよ!

 オーホッホッホッ。

 いっその事すべての出入り口を塞いで

 海に近づけないようにしちゃおうかしら」

 

なんて具合にお上がヒステリックに考えた挙げ句、

小市民が被害を被るいつもの構図ですね。

あたしたちの釣り座もその流れからだと思いますが、

波による浸食で小高い岸壁が崩れる恐れがあるとかなんとか

イチャモンをつけて、

車での乗り入れができなくされちゃいました。

とんだとばっちりです。

余計なお世話をしあがるんですね、お上ってのは。

別に崩れたからって人が死ぬほどの高さでもないのに…。

それを大げさに盛り土をして、

何箇所かあったすべての出入口を塞いじまってさ。

いっそのこと立ち入り禁止にして

取り締まるくらいのことをするなら諦めもつきますが

(ま、諦めないでしょうけど)

 

■中途半端な出入り禁止

 

でも、車が入れないだけで人間は出入り自由なんですよ。

どうゆうこと?

岩壁が崩れて車に被害が及ぶのを防いだってことなの?

やっぱ、車は役立たずの釣り人なんかより数段利用価値が高いし、

社会的価値も圧倒的に上だもんね。

認めますよ。認めます。

釣り人なんか死のうが生きようが関係ないですよね。

ふ〜ん。

 

だったらほっとけってんだよっ!

 

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やっぱ、役人がしそうなことだわ。

なんか悪意を感じるんです。

憩いの場所をナンクセつけて奪っちゃってさ。

意地悪だとおもいません?

そうなる前は大物を釣り上げる近場の好釣場所だったんです。

家族連れやホッキ貝拾いのおじいさんおばあさんも訪れたりして、

にぎやかでした…。

生者必滅栄枯盛衰ですわ。

権力乱用の役人の身勝手には正直、天罰くだれ!って思います。

 

■嫌がらせされても

 

そんな仕打ちを受けても、しぶとく通い続ける釣り人が耐えない

一本防波堤から作業船溜まりの港までの間の浜が今日の釣り座です。

釣り場の紹介が少しばかり長くなりました。

道路から少し入ったところに車を停め、徒歩で移動です。

シトシトシトシト小雨模様。

風は穏やかですがやっぱり寒い。

晴れればきっと風が出てくるでしょうから、

多少の雨でもガマンしなきゃ釣りはできません。

ここは遠投有利の大物場です。

魚影が濃いのは承知の上ですから、自ずと力が入ります。

 

■雨にも負けず

 

思いっ切り投げて2本の竿のセット完了です。

120メートルくらい飛んだかな?

最近は20メートルのちょい投げばかり。

久しぶりの遠投で気分は最高。

ぶん投げるとストレスが発散できるんですよ〜!

ああ気持ちいい!

あたしの釣りの師匠であるガマ親分のお気に入りの場所ですから、

当然のように先に来ていて3本の竿をセット完了しています。

そのほかには一本防波堤側に1名だけ。

港で隣の人の糸を気にしながら過ごす釣りとは大違いです。

誰の糸にも絡まりません。

小さな喜びと小雨の寒さに震えながら竿先を見詰めます。

午前8時半が干潮。

小潮ですからあまり良い潮周りではありません。

でもせっかくの日曜日、北海道に暮らしてて釣りをしないで何をする。

ホントにそう思います。

忘れてましたが、カミサンは雨に濡れるのが嫌だと車で待機。

ケータイでゲームに夢中です。

 

■アタリは突然に

 

ゴツンッ!ゴンゴン!ゴツン!

あたしの竿にアタリです。

竿尻が上がるような激しさです。

あわてて合わせるとグイグイ引っ張ります。

足下には波止めの石が積まれていて、雨に濡れているので滑ります。

ゆっくりと気をつけながら下りていきます。

上がってきたのは35センチほどのアイナメ

美味しい魚なのですが、クロガシラではないので、ちょっとガッカリです。

アイナメのことをここいらではアブラコといいます。

漢字で書くと油子らしいです。

美味しそうには思えませんよね。

なんでこんな呼名になったんでしょうか?

 

■名前で損してるよね

 

Wikipediaには

身は脂肪の多い白身であり、そのことから「あぶらめ」とも呼ばれる。季節により寄生虫がいることがあるので、刺身などの生食は注意した方が良い。

 

とあります。

あたしの感想ですが、脂肪が多いと思ったことはありません。

刺身で食べるのが一番好きですが

煮物揚げ物なんでもOKの魚です。

淡白な甘みで上品な美味しさだと思います。

あたしの味覚はあてになりませんが、

知っている釣り人も淡白で甘くて旨いとみなさんおっしゃいます。

でもアブラコなんです。北海道では。

名前で敬遠されがちな残念な魚の代表かもしれません。

ホッケとも親戚関係なのにね。

 

■クロちゃんはいずこ

 

元気一杯のアブラコでしたが、目的と違うのでリリースです。

次こそは大物クロちゃんを求めて投げ直します。

そうこうしているうちに雪辱に燃えるガマ親分にもアタリ。

あたしのより10センチは大きいアブラコでした。

魚は活け締めにして食べるのがモットーの親分は、

辺りを鮮血に染めて処理しちゃいます。

「この方が旨いから」

ニッと笑ってそう言うんです。

正直怖いです。

「あいつは笑いながら人を殺せるかもしれん」

会社の先輩にそう言わしめた方です。

サケ釣りのときなんか

明らかに殺人現場のような血だまり及び血痕が残っています。

いずれは波に洗われるとしても、残酷な惨状が目に浮かびます。

「お前もやれ」

以前薦められましたが、

根性なしのあたしは、足はガクガク手はブルブル。

とても締められませんでした。

でも最近は活け締めにする人が増えているようです。

食べるなら少しでも美味しい方がいいですけど…。

 

さて、目的はクロガシラ。

親分は過去にここで46センチを釣り上げています。

あろうことかカレイの王様と称されるマツカワも45センチを釣っています。

ここはホントにすごい場所なんです。

ただ、もう少し温かくなるとアカハラ(ウグイ)がうるさくなります。

アカハラもでかいのが出没します。

あたしも50センチほどのを釣り上げたことがあります。

たべても美味しくないのですべてリリースしますが…。

ルイベにして食べると

めちゃめちゃ旨いという方もいらっしゃいます。

どうなんでしょうね。やってみたことはありませんです…。

 

小雨は休みがちになってきました。

雲の切れ間に青い空も見えています。

 

■願いは届かず

 

釣れろ!こいっ!

竿先をにらみ続けていると再びアタリ。

今度もグングン引っ張ります。

「あっちゃ〜、またアブラコだ!」

今度は45センチありました。

これはお持ち帰り決定です。

でも活け締めはしてません。

ガマ親分がなじるような目で見ています。

でもできないんです。

明確に命を奪うという行為が。

考えるに、釣り上げられ呼吸できずに

苦しみながら息絶えるんですから、

お魚さんが可哀想だとは思います。

そうは思いますが、

元気に動き回る魚を押さえつて

エラ元に包丁を差し動脈を切り、

尻尾の方にも同様に包丁を差し込んで動脈を切断して、

逆さまにして血を抜くなんて…。

あたしには到底できそうもありません。

お魚ちゃんのためにはその方がいいんでしょうけど…。

…。

 

晴れ間が広がると同時に風もついてきやがって、

釣りがしづらくなりました。

それに寒い。

体が強張っています。

「なんか釣れたぁ?」

おそらくはエンジンをかけて

温かくしていた車内で

ぐっすり眠っていただろうカミサンが

降りてきて声をかけます。

平和な女です。

急激にやる気を失いました。

気がつけば午前11時になろうとしています。

クロガシラには出会えませんでしたが、

久しぶりに思いっ切り遠投できたので心地よい疲労感。

家に帰って温かい風呂に入って

ゆっくりすることにしました。

 

それにしても日曜日のたびに風が強いです。

役人も神様もホントに意地悪!

 

またまた長文になっちゃいました。

読んでくださった方に心からお礼申し上げます。

それでは次回。

また読んでね。