kunbeのあれこれ雑記帳

読んでくれた人がクスッと笑えるような事柄を、時には事実に基づき、時にはウソ八百を書き綴ります。

■東京オリンピックのロゴに思う

■少しまじめな話です

 

あたしは、末端中の末端ではありますが「デザイナー」です。

書籍やパンフ、チラシなどのほか、

定期刊行物など紙に印刷する分野のデザインをしております。

 

職歴だけが長くなり、独立できるほどの技量も度胸もないまま、

勤め人の人生を歩んでまいりました。

 

「明日をも知れない身分になるんだぞ」

 

以前、あたしがすごいなぁと憧れていた

先輩デザイナーが独立する時に言ったひと言です。

その言葉がやけに重く胸に響きました。

しかも、その先輩が実にあっさりと、ものの見事に起業に失敗して

某広告代理店でアルバイト生活になった事実を目の当たりにしたことも

独立を躊躇することに拍車をかけたのかもしれません。

今までに何度も何度も

「こったら会社辞めちゃるっ!」

と思いながらも、未練たらしく一企業の従業員として働いています。

 

だって、決まったお給料もらえる方が安心なんだもん!

 

■正直似てるかも…

 

前置きが長くなりました。

 

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上が東京オリンピックで一度採用されたロゴ。

下がベルギーのデザイナーがクレームを付けたロゴ。

たしかに「T」の扱いは同じと言われても仕方がないように思います。

どっちが好きと聞かれたらベルギーと答えるでしょう。

洗練されていてカッコいいと思います。

東京オリンピックのロゴはベルギーのデザインを知らずにいたなら

決まったんならいいんじゃないのくらいの感想です。

あたしの感覚からすると、

なんとなく、まとまりに欠けているように思えるんです。

ベルギーのロゴと比べると整然さに欠けていますよね。

たぶん、「T」の縦棒が太すぎるために

落ち着かなくなっちゃったんじゃないかな。

右上に置いた赤いマルの配置も個人的にはいいと思いません。

でも、権威に弱いあたしですから、決まったものに文句は言いません…。

 

■似て非なるもの

 

ベルギーのデザイナーが訴えを起こした気持ちは分かります。

やっぱ似てますよ。

当初はもっと違うロゴだったのがJOCの指示で修正を加え

最終的に出来上がったのが今回のロゴなんですよね。

まぁ、発表したんですから「似てる」との指摘には

真摯に対応しなければなりません。

ただ、サノケンさんの肩を持つ気はありませんが、

少なくとも盗作という指摘は当たらないと思います。

でも、結果的にベルギーがベースになった感は否めなくなっちゃいました。

それを基にしたと思われても仕方がないというのが

正直なところではないでしょうか。

 

あたし、長いことこの仕事をしていて常々感じるんです。

完成した作品には必ずといっていいほどルーツがあって、

それを辿っていくと既成のものに行き着くという現実。

もちろん、普通は作った本人だけがベースにしたデザインを知っているわけで、

ほかの人が見て分かるようなヘマは絶対にしません。

分かるようなものを作っちゃ命取りですから。

そのくらい基(もと)の形を変えちゃいます。

少なくともあたしの中では、

基の作品より程度のいいものを作ったという実感はあるんです。

進化させたというか、より洗練させたという充実感が。

あくまでも、あたしの中の話ね。

当然ですが、出来上がった作品は

基の作品とは似て非なるものになっています。

 

今回のロゴは結果的にベルギーをパクったと言われても

仕方なのないものになっちゃいましたね。

ハナっからそのつもりで、やったわけではないみたいですから、

盗作でもパクリでもないんでしょうが、

似ちゃったんだから採用取り消しが一番いい判断だと思います。

 

あたしのような、なんちゃってデザイナーは、

インスピレーションが湧いて100%オリジナルの作品が作れるなんてこと

そうそうないわ。悲しいけど。

だから田舎のサラリーマンにとどまっているんです。

通用しないと分かってますから。はい。

どうにか地域的にゴマカシが効く範囲で

かろうじて生き延びているんです。

ガハハ。

 

■ネットいじめはやめましょうよ

 

ところで、ネットで盛んにサノケンさんのアラ探しが行われています。

自分たちの正体が知れないことをいいことに、

集団ヒステリーにでも陥ったような有り様で

サノケンさんを極悪人に仕立て上げ

血祭りに上げているように見えて仕方ありません。

かくいうあたしも、正体を隠してブログを書いているわけですから、

彼らを正面から責めることはできません。

あたしも卑怯者の一人です。

 

けどさ、もういいんじゃないっすか。

ご本人に悪意があったかなかったかは、わかりませんでしょ。

 

たしかにパクリといわれても仕方がない作品もあるようです。

あたしも「スタジオパクリのサノケンさん」なんて書いたりしましたし…。

 

反省しています。調子こいちゃいました。ごめんなさい。

 

同業者の端くれなのに、産みの苦しみを忘れていました。

ひとつの作品を作り出すのにどれほどの血と汗と涙が流れているか。

経験者しか分からないことです。

 

ほかのお仕事も同じですよね。

なんでだか知らないけど、めっちゃ苦しいやん。

成果を出すのって。

何かの犠牲の上にしか成り立たないやん。

 

みんな大なり小なり苦しみを背負って生きてるわけです。

 

だからあまり批判ばかりせずに、

そろそろほっといてあげてもいいんじゃないかな。

 

こう書くとパクリを許すみたいに聞こえちゃいますが、

そうは思っていません。

パクられた方がパクった方を攻めればいいのであって、

外野は多少のヤジは飛ばしても、

ほどほどのところで引き上げるのがいいと思うんです。

あまり追いつめ過ぎて自殺でもされたら罪悪感にうなされちゃいます。

 

なんか、今回はまじめだったね。

ホントはまじめなおじさんなんだな。

つくづくそう思う秋の夕暮れなのでした。

では、このへんで。

 

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