時間がないから短い詩だぜ(草野心平さん編)
地球さま。
永いことお世話さまでした。
さようならで御座います。
ありがたう御座いました。
さやうならで御座います。
さやうなら。
「婆さん蛙ミミミの挨拶」
カエルの詩人とも呼ばれた草野心平さんの名作です。
人間がみんなミミミ婆さんのように生きられたら…。
これから死んでいく、ミミミ婆さんの純粋さに心がほっこりすると同時に、
いろいろと考えさせられる、とても印象に残る作品だと思います。
挨拶とスカートは短い方が喜ばれるなんて言いますがぁ、
短いつながりで、あたしが好きな心平さんの作品からもう一つ。
「冬眠を終えて出てきた蛙」というタイトルで、
両眼微笑。
ってこれだけ。
長い冬ごもりを終えて土から出てきたカエルの喜びを、
たった四文字の漢字で伝え切る。
正直、傑作だと思っています。あたしは。
思い浮かばないよね。両眼微笑。
まぁ、たいていの人は片目だけで笑うことはできないと思います。
だから当たり前すぎて両目で笑ってるなんて逆に思わないですよね。
でも、詩人は気がつくんですね。こんなところを。いいなぁ…。すごいなぁ…。
春の陽気に誘われたカエルをイメージしてください。
ほら、両方の目でほほえんでいるでしょ。
「ああっ! ホントだ」って思えちゃうでしょ。
これ思いついたとき、心平さん嬉しかったろうなぁ…。
実は心平さんには、もっと短い作品もあるんです。
タイトルは「冬眠」
・
何だか分った? そう、黒丸だけなのよ。
世間じゃ賛否渦巻いたらしいけど、あたしはここまで前衛的なのは好みません。
だからこれは嫌い。おつむの出来が良くないから意味も分んないし。
さらに心平さんったら、
「る」を20個並べた「生殖 Ⅰ」とか
アルファベットの「Q」だけで表現した「天気」って作品もあるんです。
「天気」にいたってはもはや絵画作品といった方がいいかもしれませんが…。
こういう詩はあたしは好きにはなれません。
やっぱり言語で言葉で表現してほしいと思います。
音楽でも好きなアーティストのアルバムすべての曲が
気に入ることって、そうそうないでしょ。
それと同じで、この詩人の作品は全部好きってことにはならないのよね。
あたしのばやい。
おバカだけれど、意外と好みにうるさいおバカなのね。まいったか!
あらっ、ちっくしょう! また仕事だべや!
中途半端だけどアップしちゃうもんね。けけけけ。
読んでくださった方々、本当にありがとうございます。
次はもっと面白いこと書かせていただきます。たぶん…。きっと…。
んじゃね。