kunbeのあれこれ雑記帳

読んでくれた人がクスッと笑えるような事柄を、時には事実に基づき、時にはウソ八百を書き綴ります。

酒はしずかに飲むべかりけり

 

夕べはカミサンに勧められるがまま、調子に乗って日本酒をお銚子1本半空け、

ほろ酔いからグラグラ酔いに陥ったあたしです。

たった銚子半分でずいぶんと違うんだな。なんて思いました。

以前なら間違いなく吐き気に襲われ、いいようにもてあそばれていたはずですが、

不思議なことに吐き気ゼロ。まったく感じませんでした。

〈弄(もてあそ)ぶって、こんな漢字書くんだよ。見ているだけで吐きそうになる文字だね。〉

「にゃははぁん、気持ちいい」

浮遊感というんでしょうか、揺りかごに揺られているような心地よさ。

実際に揺りかごに入ったことはないんですけど、

たぶんこんな感じなんじゃないかな。ね、赤ちゃん。

 

白玉の歯にしみとほる秋の夜の

            酒はしずかに飲むべかりけり

     (しらたまの はに しみとおる あきのよの さけはしずかに のむべかりけり)

                                 (若山牧水

 

みなさんご存知の現代短歌の大御所、若山牧水さんの代表作です。

初めてこの歌に出会ったときは、「白玉だんご」を肴に酒を飲む歌かと思いました。

んなわけないやね。

冒頭の「白玉の」は古文で習った決まった言葉にかかる枕詞としてではなく、

「極上の酒・美味い酒」くらいの意味に置き換えて詠むといいと思います。

「秋の夜の歯にしみ通るように美味しい酒(この歌の場合は冷や酒ですね)は、

 黙って静かに味わって飲むべきだよ」

ざっとこんな意味合いでしょうか。

肴はあぶったイカでいい。なんて言わない。

美味い酒があればいいのね。さっすがは大酒飲み。

 

あたしにゃ絶対無理。

「金もいらなきゃ女もいらぬ、とにかくなんか食わせろ派」のあたしとは正反対。

 

旅と酒が大好きだった牧水さん。

いつもどこかをさまよい歩いて根無し草だったのかな、

なんて思っていたら、ちゃっかり結婚して子どももつくってます。

抜け目ないのね。別にいいんだけどさ…。

 

でも、長男坊につけた名前が“旅人”。「たびと」って読むんですと。

どう思います。みなさん。

いくら好きだからって、自分の好きな事柄を子どもの名前につけるかい?

いろいろな思いを込めたんでしょうけど…。

旅人…。ね…。

 

牧水さん流でいけば、あたしのせがれなんざ

「イチパチ」とか「ナゲヅリ」なんて名前になっちゃいます。

3人目は「AV」かも。

 

基本的に子どもは親より長く生きるんですから、

後々のことを考えて名前を付けなきゃなりません。

違う?

 

「旅人」。牧水さんらしくていいですねって、

周りの方は誉めたのかな。

長男以外に3人の子どもを授かったそうですが、

Wikipediaにはほかの子どもの名前が記されていないのでわかりません。

あたしの勝手な予想では誰か一人くらいは

「酔」の字を使った名前になっているんじゃないかな。

長男さんは旅人から歌人に転身されたそうです。めでたしめでたし。

 

あ、いま書いてて思った、牧水さんのイメージ。

ムーミンに出てくるスナフキンだわ。

大きな木の下に座ってハモニカを吹いて、

無口で何を考えてんだかさっぱりわからないけれども、

困った時にはめっちゃ頼りになる人。みたいな。

スナフキンは心にぐっとくる名言をたくさん残してますね。

牧水さんはハモニカは吹かなかったと思いますが、

数々の短歌を残してくれました。

あたしが生息している北海道にも2度来られたようです。

旅先の風景にしみいるような孤独で浪漫あふれる短歌がたくさんありますね。

現代短歌界のスナフキンと読んだら怒られるかな?

 

最後にあたしの大好きな短歌を一つ。

 

白鳥は 哀しからずや空の青 海のあをにも 染まずただよふ

     (しらとりは かなしからずや そらのあお みずのあおにも そまずただよう)

 

人と違っていることがそんなに悪いのか。

誰にも認められないむなしさに

言いようのない悲しさがこみ上げます。

 

あたしは個人的にこのような解釈をしております。

 

言わずもがなの名作ですね。

 

自分もそうだって思ったあなた、安心してください。

きっとみんな同感です。

違うの?

 

 あれ、結局静かに飲む話にならなかったわ。

またの機会に取っておこうっと!

じゃね。

広告を非表示にする