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kunbeのあれこれ雑記帳

読んでくれた人がクスッと笑えるような事柄を、時には事実に基づき、時にはウソ八百を書き綴ります。

天つ風 雲の通い路 吹き閉じよ

夕闇が色濃くなっていました。

最近再び吸い始めたタバコを、自宅2階のベランダで一服していたときのことです。

カミさんがいろいろとうるさいので、しぶしぶのホタル族です。

 

ふと裏手にあるアパートを見ると、丁度真正面の2階の窓から

明かりがこぼれていることに気がつきました。

何気にそちらを見ると、カーテンを閉めていない部屋には女性の姿

宵闇に浮き上がるように鮮やかに映し出されました。

 

急激にドキドキ。

緊張が高まります。

「見てるのがバレたらまずい!」

妙な罪悪感から、とっさにしゃがみ込んで

ベランダの柵の隙間からの監視態勢に入りました。

 

よく考えると、こちらが暗くて向こうが明るいわけですから、

向こうからは見えないはずなのにね。

しかも、ベランダから見ているだけだから、悪いことしているわけじゃないのに…。

でも、やっぱ、なんか悪いことしてるっていう気になっちゃう。

 

ずっと空き部屋だったはず。

「今日引っ越してきたのかな」

顔がはっきり見える距離ではありませんが、

一瞬で20代後半中肉水商売、と見抜きました。

こういうときの眼力ってすごいのね。エッヘン!

 

白いTシャツ姿の彼女はどうやら一人のようでした。

あらかた引っ越し荷物の整理も終わり、ホッとしているようにも見えました。

手伝いにきていた人たちも帰って、一人の時間を楽しんでいるようでした。

 

「ムフフ。久しぶりに若いオナゴじゃ。ムフフ。ムフフ。もひとつおまけにムフフフ」

あたしは、必殺スーパーエロじじいに変身です。

変身したところでなにもできないけどさ…。

 

突如彼女が立ち上がりました。

そしておもむろに履いていたスエットのようなものを脱いじゃったんです。

 

エロじじいはドギモを抜かれました。

腰を抜かしました。

心臓はどっかへ行っちゃいました。

「パ、パ、パンツっ!!!!」

純白のパンツが窓辺に揺れています。

肉付きのいいかわいらしいお尻と一緒に。

どこかへ行っていたはずの心臓が戻ってきて

バクバクバクバク激しく高鳴ります。

 

「気がつきませんように気がつきませんように」

祈る思いで、なおさら姿勢を低くしました。

すっかりとっ散らかった精神状態のあたしを尻目に、

彼女はTシャツも脱ぎブラジャーとパンツだけの姿になって

窓辺の部屋からいなくなってしまいました。

シャワーでも浴びに浴室に行ったんでしょうか。

 

「はぁ…。行っちまったぁ…」

あたしは携帯灰皿にタバコを消して深いため息。

夕闇が一段と濃くなっていました。

 

 天津風 雲の通ひ路吹き閉ぢよ

            乙女の姿 しばしとどめむ

   (あまつかぜ くものかよいじふきとじよ おとめのすがた しばしとどめん)

           僧正遍昭(そうじょうへんじょう=816〜890:六歌仙の一人)

 

遍昭さん、あなたの気持ちが痛いほどわかりました。

百人一首にも選ばれている六歌仙のあなたの和歌を

こんなデバガメのエロじじいの悪行と並列するなんておこがましいですが、

でも、きっとあなたもこんな気持ちだったんですよね。

あたしが見たのは、もちろん天女ではありません。

でも、あなたも天女ではなく「五節の舞姫」を見てこの歌を詠んだんですよね。

あたしが見たのはたった一人。あなたが見たのは4、5人。

人数では負けました。

でも、あなたが見たのは美しい着物姿のうら若き女性たちでしょ。

あたしが見たのはたった一人だけど純白のパンティーと純白のブラジャー姿

どう? 遍昭さん。あたしが見たものの方がすごいでしょ。

うふふ。うらやましいでしょ。

あたしの勝ち! ね!

 

「何本吸ってるの!」

カミさんがツノを出してベランダに乗り込んできました。

「い、今、行くところだったん…」

「さっさとおフロに入りなさい!」

「はい」

 

せっかくの神様の突然のプレゼントの余韻を

カミさんのおっかない顔があっさりかき消しました。

 

はぁぁ…。

 

天津風 とっとと妻を 連れて行け 鬼嫁の姿 しばし忘れさせろ(なまら字余り)

 

遍昭さん、あなたもこんなふうに思ったことある?

いつの時代も奥方様は強いですよね。

小野小町と浮き名を流してた頃は、独身だったのかな?

 

ところでデバガメの意味ってみなさんご存知でした?

本来は「デバカメ」っていって、

女湯の覗き常習者だった池田亀太郎からきているそうです。

詳しくはこちらを見てね。

gogen-allguide.comくっだらないことばかり書いてるから、少しは役立つこともしないとね。

 

さて、あたしのベランダへの通い路は吹き閉じられることなく続いています。

でも、あの日以来、アパートの部屋に明かりが点いていることはありません。

あたしが帰ってくる頃にはお仕事に出かけていて、

あたしが眠った後に部屋に帰ってくる生活なんだろうな。

やっぱり水商売なんだな。

確信は深まったんですが、

姿が見られないのは寂しく思っちゃいます。

 

衝撃的な純白パンティ姿、もう見ることはないのでしょうか。

「ないよなぁ」と思いながらもあたしのベランダ通いは続いちゃいます。

エロじじいは簡単に治らないのね。

困ったもんだわ。

 

長々と書き散らかしてしまいました。

読んでいただいた方には心よりお礼申し上げます。

読んでくれなかった方にも形だけお礼申し上げます。

では、おやすみなさいませ。

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