kunbeのあれこれ雑記帳

日々の暮らしの中で感じたこと思ったことを、わかりやすく、おもしろく、それなりに伝えようと思います。

上には上が…

 いやあ、疲れました。

 原稿入力。

 どうにか締め切りには間に合いそうでほっと一息です。

 

 毎度のことですが、手書き原稿の入力は疲れます。

 特に文芸誌関係はなおさら。

 ちょっとした言い回しや、漢字の使い方にもこだわる人が多いですよね。

 ね、大御所さん。

 もちろん、原稿に忠実に入力するのが鉄則で、大前提ですが、

 明らかにおかしな言葉遣いや漢字の選択であっても、

 知らん顔して打たなきゃならないのは辛いです。

 なかなか波に乗れない原稿ってあるもんです。

 あたしとリズムが合わない人が多いんですよね。

 えっ? こんなヘタクソな文章しか書けない、

 あたしが悪い?……。……くすん。

 あと、地元文芸誌の作家さんたちの中には、

 支離滅裂な内容の方もいらっしゃいまして、

 これはホントに作業が進まないんです。

 次が予測できません。

 本来、予測なんてするのが、だめなんでしょうけど、

 やったことのある人は判ると思いますが、

 どんな文章でも無意識的に

 次の言葉の入力を準備しちゃうもんなんです。

 えっ? これもあたしだけ?

 まじ? ホント? ……くすん。

「です・ます調」がいきなり

「だ・である調」に変異。

 さらに「受動態」が「能動態」に変わり、

 ついには文章の途中で変わるから、

 意味が通じなくなってしまう。

 なんでこんなの載せるの。

 本気で載せるの。

 うそだ。うそでしょ。

 あたしたちへの嫌がらせか、拷問なんでしょ。

 マイッタマイッタ参りました。

 えへへ、もう降参。

 勘弁してくださいよ〜。エ〜ン。

 

 わしらの腕を試そうと、

 あえてめちゃくちゃな文章を準備したんでしょ。

 あとから笑って

「あははは、いやぁ悪かったね、

 あの原稿の入力は大変だったでしょ。

 君らがどこまで忠実に入力できるのか、

 調べさせてもらったんだよ。

 悪気はなかったんだ。

 合格だよ、よくやってくれた。

 完璧だ。今後ともよろしく頼む」

 って言ってくれぇっ!

 

 年間数回ですが、文芸誌手書き原稿入力は、

 くじ運が悪いと一日中こ汚い文字とニラメッコです。

 若い奴らとじゃんけんで、入力する原稿を決めていますが、

 職場内に急激にうめき声が増加します。

 あちこちで「あっ」とか「うっ」から

「どひゃあ」「ぎえ〜」と絶叫度が増し

「ぐはっ」「ひでぶっ」「ふぐげっ」と

 “お前はすでに死んでいる”状態へと加速していきます。

 最後は「ユリア〜!」と叫びながら息絶えるという

 「北斗の拳」状態です。

   (すいません、北斗の拳をよく知らないのでスルーしちゃってくださいね。)

 あちらこちらで

「これなんて読むんすかぁ」

「こんな漢字見たことないっす」

「日本語で書いてくれぇ」

 などと聞こえてきます。

 

 あたしは

「俺、手書き原稿の入力は医者から止められてるんで」

 って逃げようと思ったんですけど、

 若い奴らににらまれたので

「俺これ以上続けたらホントに病気になるわ」

 などと愚痴りながら、半べそ状態で一文字一文字慎重に入力しましたよ。

 じーちゃん、判ってくれるよな。

 あんたの駄文を一日がかりできっちり入力させてもらったからな。

 

 それでね、あたしがたまたま打たされたのが、

 魔女について書いた作品なんですけど、

 これは絶対なんにも調べずに、

 いろいろと不真面目に思いつくままに

 書きなぐっただけのものだなってシロモノで、

 学術的なことは一切なくて、

 魔女裁判で殺されたジャンヌ・ダルク

 魔女としてよみがえって、会社を作って世界を掃除するって

 内容なんですけど、ね。

 ね、ここからすでにあやしいでしょ。

 じゃあ、魔女裁判は正しかったの。

 ジャンヌ・ダルクは魔女だったの?っていう疑問は、

 ひとまずおいときましょ。

 とりあえずは…。

 会社は砂漠の真ん中にあって、

 海水を噴出させて、

 砂漠を緑化するんですよ。

 塩水は真水になってるんですって。

 そりゃ、よかった、よかったね……。

 それから、かぐや姫やら白雪姫やらマッチ売りの少女まで登場して、

 意味不明のことをしまくって、

 話の内容がさっぱり判らなくなるんです。

 挙げ句の果てには、

 地球上の放射性廃棄物

 ウルトラマンたちウルトラ兄弟に頼んで、

 宇宙の果てのブラックホールに捨ててきてもらおうって

 ことになって、めでたしめでたしなんです。

 あれっ?

 こう書くとなんだか面白そうじゃん。

 どうです? 

 読みたいですか?

 きっと頭がおかしくなりますよ、あたしみたいに…。

 

 あたしの文章力なんて高が知れてるけど、

 あたし以上におかしな文章が書ける人っているんですねぇ。

 ある意味、感心しちゃいました。

 あぁっ、疲れた。もう寝よ。