kunbeのあれこれ雑記帳

読んでくれた人がクスッと笑えるような事柄を、時には事実に基づき、時にはウソ八百を書き綴ります。

汚れちまったキーボードに今日もタルタルの降りかかる

はぁ…。今日もまた雨。

あたしの生息地は、6月に入ってからやたら雨ばっかり降っております。

まるで梅雨です。

北海道には、はっきりした梅雨はない、なんて言われてるけど、

この状態はまさに梅雨。

誰の目にも明らかでしょう。

しかも、寒い。

まるでこのブログみたいです…。

いや、このブログ以上かな?

う〜ん、甲乙つけがたいわね。

みなさんはどう思います?

あっ、答えなくていいです。わかってますから…。

クスン…。

 

そういうわけで家でも職場でも、連日ストーブのお世話になっているんです。

信じられます?

6月も終盤だってのに、毎朝ストーブつけなきゃ寒くていられないんですよ。

ああ、お天道様が恋しい。

そんなあたしの気持ちは完璧に無視されっぱなし。

まったく相手にされない片思い。

思いは募るばかりです。

「あきらめましたよ どうあきらめた あきらめきれぬと あきらめた」

なんて都々逸(どどいつ)を思い出したりしちゃいます。

 

とにかく毎日じめじめしてますから、

心の中にカビがはえるわパンツからサルマタケがはえるわ加齢臭が強くなるわで

大変です。

ホント気持ち悪い。あ〜んど機嫌も悪い。

恒例の若い連中へのヤツ当たりは、連日やってたからもう飽き飽きしちゃって

仕方がないから今度はおエライさんに当たっちゃおうかな、

なんてできもしないことを真剣に考えちゃったりしてね。

どうせ言えやしないんですけど

「うっせぇ!てめぇっ!」って、いきなり言ってみたいにゃぁぁ。

きっと面食らうだろうな。

いっつも怖いもんなしみたいな態度しやがって。

ひょっとしたらチビっちゃうかも。

そしたら写真とって社内中にばらまいて…。

ついでにネットにも…。

ウケケ。そんな想像して薄ら笑い。

それでどうにか心の均衡を保っているという

正真正銘の薄気味悪いおじさんに成り下がっちまいました。

 

えへへ。

みんな、仲良くしてね。

 

ホント天気が悪いとウップン溜まりますよね。

皆さんはどうやって解消しているんでしょうか。

本気で知りたいわ。

 

今日もそんな天気の中、ウツウツとお仕事です。

当然やる気なんかありゃしません。

なにをするんでも「ハァァ〜」ってため息ついてから。

思いっきりダラダラ状態で仕事しているふり。

まんまとお昼までやり過ごして、

いつものようにふんぞり返ってネット麻雀しながら弁当を食べていたら、

フライに付けるタルタルソースがキーボードの上に「どさっ」と落下。

ホント「どさっ」て感じでした。

 

ギョヘェ〜ッ! やっちまったやっちまったえらいこっちゃえらいこっちゃ!

 

青カビのように青冷めるあたし。

それでも素早く周囲を観察し、誰も気がついていないことをしっかり確認。

もし誰かに見られていたら、そいつの口も封じなければなりません。

 

あたし、職場では厳しいんです。

他人には……。

 

あたしがこんな失態を演じたら、

若いヤツらはいい気味だって、

ここぞとばかりにオエライさんにチクるに決まってます。

それでもってオエライさんも待ってましたと

食いきれないだけたっぷりのお小言をあたしに食らわすはずです。

そうなると毎日ふんぞり返ってゲームしながら昼飯を食う権利が剥奪されます。

テキトーに仕事して若いもんをいじめることができなくなります。

楽しみがひとつもなくなっちゃうんです。

 

そんなの耐えられな〜い!

 

それだけはなんとしても阻止しなければなりません。

一瞬のうちにそう考えたあたしは、

極秘裏に「キーボードお掃除大作戦」実行と強く決意しました。

 

平静を装い、まずはタルタルソースの固まりをキーボードから取り除きます。

続いて、おもむろにティッシュと爪楊枝を持ち、

キーの隙間をこすりながら優しくフキフキ。

キーの隙間に入り込もうとするタルタル君を、

そうはさせじとこそげとり、

それでも取りきれないタルタル君の残党は、

クリップをのばして先端に濡れティッシュを巻き付け、

ひとつひとつ丁寧に拭き取ります。

いつになく真剣。

なんだか気分充実。

 

貴重な昼休み終了間際に、ようやくすべて取り除けました。

 

カミさんの手作り弁当は半分以上残ったままです。

気分が高揚していて空腹は感じませんでした。

毎朝早起きして作ってくれているのに申し訳ないと思いつつも、

極秘裏に事件解決がうれしくて「よっしゃぁ!」っと

ちょっと大きめの声を出してしまいました。

 

しまった!……。

 

「どしたんすか?」

一番近くの若造が聞いてきます。

「い、いや、なんでもない」

「そっすか。なんかうれしそうでしたよ」

「なんでもないんだ」

「でも…」

「うっせーな!なんでもないって言ってっだろ!」

 

周囲に聞かれないようにクチビルに人差し指をあて、

声を押し殺しながらの会話です。

 

若造はあたしのPCデスクの上に

うずたかく積まれたティッシュに気がつきました。

若造の目の色が変わります。

 

若造が近づいてきました。

 

「なんかこぼしたんすか?」

「し、しつこいな。な、なんでもない」

「これ、マヨネーズ?いやタルタルっすか?」

「なんのことだ」

「あ〜あ、これじゃだめっすよ」

「だめ?」

「こんな中途半端に拭き取ったんじゃぁ、キーが固くなっちゃいますって」

「まじ?」

「貸してください。ボク、いいの持ってますから」

「いいもの?」

「ちゃんとクリーナーで拭かないと」

「そうなの」

「キーの裏も拭いちゃいますから。大丈夫っすよ」

「すぐできるのか」

「たぶん」

「よし、やれ。誰にも言うなよ」

「わかってますって」

 

若造はあたしのキーボードを自分のデスクに持っていくと、

手慣れた手つきでキーボードを二つに分けて、クリーナーで拭き始めました。

 

「処理が早かったから被害はないっすね」

「そっか」

「はい。これでオッケーっすよ」

ニコっと笑ってキーボードを合体。

「今度こんなことになったら、すぐ言ってください」

 

ううっ。爽やか。

なんて爽やかなんだ。若造!

あたしはキミに久しぶりのお天道様を見ました。

 

今までさんざんいじめてばかりいたのに…。

こんなおじさんを許してね。

なよなよしててたよりなげで、普段口数の少ない若造君です。

 

今ハヤリの二次元オタク。

勝手にそう思い込んでました。

いや二次元オタクはそうなんですけど、

こんな優しい一面があったなんて。

感激しました。感心しました。

自販機のジュースを買ってきて

「ありがとな」って渡すと

「そんなつもりじゃなかったんすけど。あざっす」

「礼を言うのはあたしだよ」

「えへへ」

 

ちょっぴりはにかんだ若造君。

笑顔もかわいいんだね。

ホントいいヤツだね。

オエライさんに言っとくよ。

こいつは使えるって。

次にココを引っ張っていくのはキミだって。

ごめん、なんの力もないけどね。

 

心が温かさに包まれました。

久しぶりだなこんな気持ち。

あ〜いい気分!

よおっし、お仕事頑張ろう!

そう思った矢先でした。

 

「あのう…」

めったにないことに、若造君が話かけてきました。

「どうした?」

「ボク今日用事があって定時で上がらなきゃならないんです。」

「は…ん?」

「この仕事の続きお願いします」

「お、おう!」

 

まさか初めからそのツモリだったの?

 

いや、あたしと違ってそんな腹黒いヤツではないはず。

疑心暗鬼…。

ガラガラガラ。

芽生え始めた信頼が音を立てて崩れていきます。

そんなはずはないと思いながら、

夜遅くまで一人職場に残ったあたしなのでした。 

 

唐突ですが本日の一句。

 

紫蘇茗荷 をんなに刻む もの多し

(しそみょうが おんなにきざむ ものおおし) 稲垣きくの

映画女優にして茶道教授。そして俳人。現代才女の誉れ高き稲垣きくのさんの俳句です。トントントン、朝餉でしょうか夕餉でしょうか。台所から野菜を刻む子気味よい音が聞こえています。ちょっとしたひと手間で食事をおいしくする女性の心遣いが詠み込まれた秀歌です。俳句のリズムと包丁のリズムが一体となって、家族で過ごす楽しげな食卓の光景が目に浮かんできます。「色の一句」(ふらんす堂)では6月10日に掲載されています。この本は一年を色にまつわる俳句で編んだアンソロジーで、あたしのお気に入りの一冊です。稲垣きくのさんは明治生まれで昭和初期まで活躍された映画女優。詳しくは知りませんが、たくさんの映画に出演された方のようです。戦後は茶道教授もしていたとか。俳句の代表作には「冬濤(ふゆなみ)に捨つべき命かもしれず」「目刺し焼く恋のねた刃を胸に研ぎ」などがあります。

 

汁ソース をとこにこぼす もの多し

(しるそーす おとこにこぼす ものおおし) kunbe

男はなにかと食いこぼしが多い生き物です。自慢じゃありませんが、あたしなんぞは色の薄い服を着て食事することを禁じられています。汁物をすすった後は必ずシミが付いちゃうし、醤油やソースも注意を怠るとカミさんにガッツリ叱られることになります。あげくには会社の備品でもあるパソコンのキーボードにタルタルソースをぶちまけ、助けてくれた若造から仕事を押し付けられる、トホホの気分を詠んだ悪歌です。

 

長々と書いちゃいました。最後までお読みいただきありがとうございます。

もう夜中の1時を過ぎちゃいました。今回はこのへんで失礼いたします。

おやすみなさい。

 

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