手巻きタバコはいかが
もうかれこれ30年以上前の中学生時代。
たしか2年生の夏だったように記憶していますが、同級生の仲良しグループで、よく近くの浜辺に遊びに行っておりました(あたしの住んでいるところは、北海道の太平洋に面した所なもんですから)。
雑貨屋に寄り、少ない小遣いからロケット花火とビンのコーラを買って、100円くらいだったかな。浜辺に着いてからは、ロケット花火で“戦争”ごっこです。
ロケット花火に火を点けて、爆発する前に仲間に向かって手当り次第に投げつける。向かってきたロケット花火を「キャーキャー」言ってかわしながらね。
たいていのロケット花火は、上昇志向が強いので、水平に投げても上に向かって飛んでしまいます。時折、運悪くぶつかることもありましたが、ケガをした仲間はいませんでした。
それが終わると「ビンけり」です。
缶蹴りと同じですが、コーラの空き瓶を使ったものですから。
当時のこの辺の海岸は、今から思えば見事な砂浜でした。
隠れ場所が無いに等しいんです。波除けのテトラポッドがあるのと、砂浜の始まり部分が小高い草地になっているだけ。
どうして「ビンけり」をすることになったのか未だに分かりません。
仕方がないので砂を浅く掘って体を横たえ、砂をかけて隠れたり、草地に身を伏せて、枯れ草を隠れ蓑にしたり。パンツの中まで砂と草まみれになってました。
鬼が自分の隠れ場所と反対方向へ行ったものならチャンス到来。思い切りダッシュしてビンまで駆けていき、力一杯ビンを蹴飛ばします。
その繰り返し。
いつの間にやら日も暮れていき、着ているものもよれよれです。
中学生にもなって、ずいぶんと幼稚な遊びをしていたんですね。
そんなとき、仲間の一人がタバコを持ってきました。
「セブンスター」でした。
「吸ってみるか」。あたしを含め仲間は興味津々。
当然、吸ったことなどないですから。
こんなとき「俺は吸わない」とは言いにくいもので、全員で吸いました。
そして、全員でゲホゲホゲホゲホ。むせ返りました。
それがタバコとの出会いです。
中学3年の頃には、仲間の大半が中毒になっておりました。
夜な夜なチャリンコ転がして、タバコの自販機に買いに行く。大人に見られたらまずいと、どきどきしながら買いました。
今のようにタスポなんて、概念すらなかった時代です。
平和だったんですね。
当然、家の中でも吸うことはできませんから、2階の自分の部屋の窓から座布団を持って屋根に出て、座ってあるいは寝転んで星空を眺めて吸いました。
吸い殻は屋根に放置。そのうち風がどこかに運んでくれましたね。
タバコを吸ったからといって、別段、大人になった気がしたわけではありませんでした。
ただ、ヤバいことをしている。仲間以外に見られたら、すぐに大人(教師や親)の耳に入って絶対こってり怒られる。下手をすると退学になるかもしれない。そうならないまでも、処分はあるかもしれない。
「ふっ、危険な道に足を踏み入れちまったぜ」的な発想で、幼稚な中学生は、そのスリルも楽しんでいたように思います。
授業中に吸いたくて仕方がなく、みんなのたうち回っていました。
さすがに学校で吸うような強者は、あたしの仲間にはおりませんでしたが…。
幸いなことに中学3年の後半には部活動も引退でしたから、授業が終わると一番近い仲間の家で、まずは一服。そんな毎日でした。
それ以来、ずーーーーーーーーと、タバコのお世話になっています。病気になって2年半ほど吸えない時代がありましたが。
タバコの何がいいの? 体に良くないって分かってるのにどうして吸うの?
かみさんによく言われます。
何が良いかですが、
あたしは、まず心が落ち着くこと、創作意欲が湧くこと、眠気防止にも少しは役立つこと、最近では痴ほう防止にも役立ちそうだ、ということではないかと思っています。
ガンになるとか動脈硬化になるとかいわれていますが、タバコ以外にも危険因子はたくさんありますから、何もタバコが諸悪の根源みたいにいわなくてもいいんじゃないかな、と考えています。
受動喫煙も、ひょっとして、あたしが知らないだけなのかもしれないけど、今では世界中が嘘だと見抜いたはずなのに、日本は相変わらずグジグジグジグジうっせーですよね。
最近は、市販のJTのタバコを卒業して、手巻きタバコに切り替えました。
手巻きタバコはいいですよぉ! もちろん銘柄によると思いますが、まず、香りが爽やかです。
あたしはまだ初心者で、入門編として「カシス」と「グレープ」を購入しました。
今までのヤニ臭いものと比べると、柑橘系のいい匂いです。もちろんヤニ臭さもありますが、今までよりは気にならなくなりました。
そして何より安い。
これも銘柄によるみたいですけど、あたしが買った2種類は、一袋800円。
なんとこれで80本〜100本分あるんです。
1回に巻く量で個人差があるのでだいたいの目安です。
キセルまで買って、ちょいと時代劇気分も味わってます。
難点は、自分で巻かなきゃならいこと。
めんどくさがりのあたしには、これがけっこう辛いです。
あと、巻く紙が既製品と違って薄いのか、指にヤニ色が着くこと。
この2点くらいかな。
まだ、かれこれ1ヶ月くらいしかたっていないので、続くかどうか分かりませんが、現時点では、これからも楽しみたいと思っています。
あれ、話に落ちがなかった。ま、いいや。今回はこのへんで。